藤圭子趣味

"本質的にハグレてる" ものを嗜好するゲテモノ喰ひだと己を規定する

芸能の王道を行く

「何を歌っても可愛い」藤圭子であるが、
ときどき巨木のように目の前に立ちふさがることがある。
科学特捜隊のフジ隊員が身長40メートルに巨大化して、
東京の町で暴れたことを思い出す。

前に三波春夫のすばらしさについて書いた。
日本の歌謡界で三波春夫は別格の存在だったが、
その芸の幹には、戦前・戦後を通じて日本の芸能の底辺に根を下ろしていた
浪曲や講談なんかの水脈が通っていた。

そしてその水脈は、どっこいわれらが藤圭子にも通っていたんである。
デビュー当時は、それまでの歌謡界の文脈とはまったく出自が違う
ストリート系のニューアイドルのように見えた藤圭子であるが、
リサイタルなんかでは、意外に芸の裾野が広いところを見せていた。

下に3曲引っぱってきた「歌謡浪曲」を聴けばわかるが、
この歌と語り口は、ちょっと器用でモノマネが上手い程度では
とうてい演じられないレベルの芸だ。
日本の芸能を丸ごと飲み込めるだけのスケールのでかさがある。
いったいどこでこんだけのワザを身につけたのか、藤圭子にはナゾが多いが、
「ま、けーこは天才だから」っていう一言で今は片付けておく。

歌謡界の大御所になるルートには進まなかった藤圭子であるが、
純粋に「芸能」という視点から見ると、
その王道のまんまんなかを堂々と歩くだけの実力をそなえていたんである。

自分の藤圭子に対する偏愛が深い敬愛にもとづくものなんだと意識したりする。

<音源消失>

 








だんだん嬉しくなってきました

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