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藤圭子趣味

"本質的にハグレてる" ものを嗜好するゲテモノ喰ひだと己を規定する

吐いたら吸う

考えてみれば自分は元々ビートルマニアジェネシスフリークですが、
ビートルズのリマスターについてちょっと触れた以外は、
ここで何かを書いたことはありません。
当たり前の存在なので逆にどうでもいいというか、
ビートルズ血と肉なら腕と足回りジェネシスという感じの身体感覚です。

そしてもう一つの当たり前の存在が
内臓に該当する藤圭子だったんですが、
圭子さんについてはいっぺんイジリ始めたら
すっかり面倒なことになってしまいました。
これがジェネシスだとしたら
きっとフィル・コリンズのドラムの話だけで十回は行っちゃうと思われるので、
恐ろしくてとても手が出せません。

さて身体感覚に直結している藤圭子ですが、
聴いているとときどき声が聞こえなくなることがあります。
そのとき何が聞こえているのかというと、
息を吸う音です。ブレス音っていうやつですね。
だまし絵を見ていて一度頭の中で絵が切り替わると
元の絵がなんだったか思い出せなくなるみたいなもんです。

 

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ブレス音が聞こえるかどうかは録音にもよりますが、
どっちにしても、ブレス音が聞こえないのが一流の歌手だとか
口の前にろうそくを置いても炎が揺れないとか、
そんなことはリスナーにとってはどうでもいいことです。
息を吸う音にだって、歌手の個性は表れます

しゃべったり歌ったりするには、その前に息を吸わなければなりません。
息を吸ってるときに、次に何をしゃべるか、何を歌うかが
頭の中にヒラメキます。
だとしたら、吸ってる瞬間にこそ真実があるかもしれないのです。
ましてや藤圭子のように
吸ってんだか吐いてんだかわかんないような声の持主であれば、
ブレス音だって音楽の一部です。
聴診器を胸に当てた音を録音していれば、
藤圭子のもう一つの傑作ができあがっていたかもしれません。
そういうことを考えた人がいなかったのは残念です。

身体感覚というのは重要です。
藤圭子はいつも右手にマイクを持って歌いますが、
左手に持ち替えると歌がどう変わるのかとか、
でもレコーディングのときは関係ねえだろとか、
だったらそんとき手はどこに置いてたんだとか、
悩みはつきません。




今日は圭子さんにジェネシスの "Invisible Touch" を捧げましょう。


Genesis - Invisible Touch (HQ) - YouTube

 
"She seems to have an invisible touch"
"She reaches in, and grabs right hold of your heart"
"It takes control and slowly tears you apart"
"But she crawls under your skin, you're never quite the same"
"And though she will mess up your life, you'll want her just the same"

など、私にとっては
「感性とか美意識などとは別のところでしか感知できない要素を持っている」
藤圭子のことを歌ったとしか思えない曲であります。