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藤圭子趣味

"本質的にハグレてる" ものを嗜好するゲテモノ喰ひだと己を規定する

隣に平気で座る人

十代のときは天下無双で神に愛された子だったとしたら、それからあとの藤圭子はなんなの。

うーんそうだなあ、「間違える人」かな。
肝心なところでいろんな選択を間違う。あぶなっかしくて見てらんないんだ。でも人間的な可愛さがそこから全開になってるから、どっちがプラスでどっちがマイナスかなんてことは言えないんだけどさ。

たしかに十代の藤圭子は、声も表現力もすごかったよ。ある意味スポーツ選手みたいなもんかもね。20代になっちゃった圭子ではどうあがいたって太刀打ちできない。
十代の乙女の圭子は、まだ加減がよくわかんないせいか、いきなり心臓を取りにくるのね。すっと手を伸ばしてきて、遠慮なんかなんにもない。

でもね、藤圭子は高いところに立って聴衆を睥睨(へーげー)したことは一度もないんだ。ふつうに隣に来て平気で座ってる。絶対に媚びなんか売らないのに、人を見下してる感じがまったくしないのね。この人はウソをつかない人だっていう安心感をくれるの。藤圭子は「間違える人」だったかもしれないけど、それは表面的な行動に関する部分であって、
あたしたち聴く側に対する接しかたは一度も間違えたことがなかった
それだけは言えるかな。